事業承継・資産承継の不安

会社の成長途中に、経営者様が子どもに株式を譲ってしまうと、従業員や取引先に不安を与えてしまう場合があります。
一方、会社が成長を遂げた後、経営者様が引退される際に子どもに自社株式を譲ろうとすると、高額の税金がかかることもあります。
後継者を確定しないままでいると、後継者候補や従業員に不安を与える場合もあります。

民事信託を活用すれば、経営者様が、経営を続けながら後継者を確定することが可能となる仕組みを作ることができます。
後継者と他の相続人との間で相続争いが生じても、自社株式を分散させずに後継者に残す方法が考えられます。

具体例

Ⅹさん(60歳)は株式会社Yを経営しています。株式会社Yは順調に業績を伸ばしており、Ⅹさんは長男のAさん(30歳)を後継者にしたいと考えています。
とはいえ、まだAさんは経験も浅く今すぐ会社を引き継ぐことに不安があります。一方で、自分が亡くなった後、確実にAさんが引き継げるかについて不安もあります。実は、ⅩさんにはAさんの他に長女Bさんがおり、Ⅹの所有しているY会社の株式をAさんに全て相続させると、Bさんが納得をしない可能性があります。

以下のような信託を検討することで、Y社の株式がAさんとBさんに分散することを防げる可能性があります。場合により、スムーズな事業承継が可能です。

この方法のメリットは、ⅩさんがY社の株式を手放しても、議決権行使について受託者に指図をすることにより、会社の経営に携わることが可能になりつつ、AさんもしくはBさん(またはAさんBさんとも)に株式の配当金を分配し、Ⅹさんの死去後に全ての株式をAさんに移転することの納得をBさんから得やすくなるといったことが考えられます。